【高校野球】初出場の公立高校・嘉手納の挑戦 3回戦で敗退も強力打線で足跡残す

明徳義塾に敗戦も8回に集中打、「悔しい思いは後輩たちに晴らしてもらいたい」

 沖縄代表・嘉手納の夏は3回戦で終わった。地区大会では夏の優勝経験のある興南を破るなど、快進撃を続けてきた。甲子園でも同じく2013年の覇者・前橋育英を自慢の打撃力で19安打10得点で撃破。スタンドでは「ハイサイおじさん」と指笛が鳴り響き、3回戦では兵庫代表の市尼崎の友情応援もあるなど、アルプスは盛り上がりを見せた。明徳義塾を相手に大敗ムードの中、声援を感じながら、意地を見せた。

 主将の大石哲汰は涙を流しながら「この悔しい思いは後輩たちに晴らしてもらいたい。沖縄(県内の学校)は強い。でも、最後に見せた諦めない姿勢を、これからも見せてほしい」とメッセージを残した。

 1-13で迎えた8回の集中打は見事だった。9番の新垣和哉(2年)が2球目をライト前へ運ぶ。打席に入る前に1番の幸地に相談していた。

「(幸地)諒丞さんに『見ていった方がいいですか?』と聞いたら『ガンガンいけ』と言われたので思い切っていきました。(先発の仲地)玖礼(くおれ)さんにはこれまでミスをして迷惑ばかりをかけていた。あの人のおかげでここまできたので負けたくない気持ちでした」

 先輩への感謝をバットに込めた。

 1番の幸地諒丞は低めの球を狙い、ヒットで続いた。「新垣が僕らにつなぐ気持ちで打っていたことが伝わった。なので僕もつなぐ気持ちでした」。2番の仲井間光亮は「アルプスの声援がすごかった。つながってほしいという気持ちだけでした」と右翼へタイムリー二塁打。止まらない。

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