打者・大谷の“弱点”は…“低めに落ちる球”と“大谷シフト”が攻略のカギ?
大谷攻略のカギは? 低めのボールゾーンに僅かな隙、少しでも浮けば長打のリスクも
大谷翔平の打撃の素晴らしさは言うまでもない。3割を超える打率を残しながら、四球をよく選び、長打も多い。外野フライが本塁打になる割合は極めて高く、質の高いフライを遠くに飛ばす力は、外国人選手を含めたパワーヒッターの中でもトップレベルにある。そんな打者としても一流の仲間入りを果たした大谷を、リベンジを懸けて挑むソフトバンクが、攻略する方法はあるのだろうか。
攻略の手がかりを得るべく、大谷のコースと高さ別の打撃成績を見ていく。図1の左は打率、右はISO(Isolated Power:長打率から打率を引いた、打者の長打力を計る指標)の数値で、打率だけではつかめない長打の出やすさの傾向が表れる。
打率では、ストライクゾーン内の投球に対しては、いずれのコースもかなりの高い数字を記録している。特に真ん中から内側のボールに対して強く、内角であればストライクゾーンを外れてもよく打っている。かといって外角に弱いわけではなく、コースについては広く対応を見せている。
長打力を表すISOも、高い数値を残しているのは内角だ。内角の窮屈な球をセンターから左方向へ運び本塁打にしたシーンは何度かあったので、印象に残っているファンも多いと思うが、それはデータにもよく表れている。
打率、ISOでも数字が上がっていないのは、低めのボールゾーンだ。どんな打者でも簡単に数字が上がるゾーンではないが、大谷を打ち取るには、ここを使うしかなさそうだ。