ソフトBサファテ、交流戦V決戦の舞台裏で見せた“男気”

心優しき守護神が3連投の岩嵜に気遣い「翔が投げるくらいなら…」

 交流戦3年連続の最高勝率。勝った方が、勝率1位の座を掴むことができる直接対決で、ゲームセットの瞬間に、マウンドに立っていたのは、ソフトバンクの絶対守護神デニス・サファテ投手だった。

 5点の大量リードがあって迎えた9回。ここまで6人の投手を使っていたこともあり、ホークスはサファテをマウンドに送った。先頭の代打・安倍を二ゴロに打ち取り、まず1死。西川に中前安打、そして代打・松山には左翼席へ2ランを打たれたが、まだ3点の余裕があった。

「松山に飛ばされたのは凄いなと思ったけど、そのあとはいいところに投げられた」。続く田中の強烈なゴロを右手で取りに行き、投げ手に直撃。ヒヤリとするアクシデントがあったが、その後も続投。最後は丸を空振り三振に切って取り、試合を締めくくった。

 通算195セーブ目を挙げた右腕は、最終決戦の前に「男気」を見せていた。自身の前、8回を担うセットアッパーの岩嵜は、15日の巨人戦(東京D)で2イニングを投げてから17日まで3連投。工藤監督は状態次第で4連投の可能性を示していたが、この日の試合前に「(岩嵜)翔が投げるくらいなら、自分が8、9回と投げる」と首脳陣に伝えていた。登板過多気味になっている右腕を気遣い、2イニングを投げることも辞さないつもりだった。

 実際には、小刻みな継投で何とか8回まで繋ぐことができ、守護神は9回1イニングだけの登板に。「岡本や飯田、五十嵐、嘉弥真、森といい流れで来てくれて、2イニングいく必要もなかった。いい勝ち方ができた」と頷いていた。

【了】

福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani

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