打球が少女直撃で試合中に涙…アルモラJr.は沈痛「僕は2人の息子の父親なんだ」

敵地でのアストロズ戦で自身の打ったファウルがファンに直撃し、涙するカブスのアルモラJr.【写真:Getty Images】
敵地でのアストロズ戦で自身の打ったファウルがファンに直撃し、涙するカブスのアルモラJr.【写真:Getty Images】

少女は病院に搬送、試合中断でアルモラJr.は同僚やマドン監督に慰められる

■カブス 2-1 アストロズ(日本時間30日・ヒューストン)

 29日(日本時間30日)のヒューストンでのアストロズ-カブスの一戦で、カブスのアルバート・アルモラJr.外野手の痛烈なファウルボールが観戦していた少女に直撃するというアクシデントがあった。アルモラJr.はその場で涙を流し、試合は一時中断。試合後には、米メディアに「言葉が出ない」と沈痛な面持ちで心境を明かしている。

 アクシデントが起きたのは、カブスの2点リードで迎えた4回。無死一、二塁で打席に立ったアルモラJr.がマイリーから三塁方向への痛烈なライナーを放つと、打球はスタンドへ。その瞬間、球場が静まり返った。アルモラJr.はその場で座り込んで涙。同僚のヘイワードとマドン監督に慰められ、呆然としていた二塁走者のバエスもアルモラJr.に歩み寄って声をかけた。その他にも、座り込んで手で顔を覆ったり、立ち尽くす選手がいた。

 AP通信によると、打球は試合を観戦していた少女に直撃したという。少女は一緒に試合を観ていたと思われる男性に抱きかかえられ、通路へと移動。そして、病院に搬送されたとされている。記事では、AP通信のカメラマンによって撮られた写真から「少女が運ばれた際、彼女には見たところ意識があり、泣いていた」と言及。試合後にアストロズはその少女が病院に搬送されたという声明を出したものの、「彼女の容態に関してそれ以上の情報を明かさなかった」としている。

 アルモラJr.は動揺を隠せず、直後のボールを振ってこの打席は空振り三振。そのままフル出場し、試合はカブスが2-1で勝利したが、終了後もショックを隠せない様子だった。

 ESPNは、アルモラJr.が地元メディアに対応する様子の動画を公開。その中で「チームメート全員とジョー(マドン監督)、みんなが出てきて、僕に話しかけてくれた。(相手投手の)マイリーの対応も素晴らしかった。僕に話しかけてくれて、落ち着かせようとしてくれた。間違いなくあんなことが起こってほしくなかった。あの打席での、後のことはうろ覚えなんだ」と話しかけている。さらに「今はただ祈っているよ。言葉が出ない。僕は2人の息子の父親なんだ」とも。まずは少女の無事を祈るしかない。

【動画】痛烈なファウルが観客席に飛び込んだ後、座り込んで涙を流すアルモーラJr.を同僚やマドン監督が慰める

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