新型コロナで広がる高校野球界の動揺… 聞いた不安の声「夏まで中止になったら…」

新型コロナウイルスの影響は高校野球の現場にも様々な形で現れている
新型コロナウイルスの影響は高校野球の現場にも様々な形で現れている

地域ごとの感染状況も違うため、学校によって現状も様々

 新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、高校野球の現場でも様々な余波が広がっている。感染者が増加している首都圏では自治体が相次いで公立高校の休校期間を延長、それに伴い部活動も自粛としているところがほとんど。感染状況が異なるため、学校や部活動の再開時期については各都道府県ごとに様々だが、一方で私立の高校は現在も各学校法人の判断に委ねられているのが現状だ。

 北関東のある強豪校の監督は「うちは学校の理解がまだある方で、普段より時間を短縮しつつ練習も再開しています。もちろん換気、消毒は徹底していますし、毎朝選手の検温もしている。対外試合も感染者の少ない地域の学校とはすでに何度か行っています。それでも、取材で東京からいらっしゃった記者さんには2メートルは離れてもらうようお願いしていますけどね」と話す。

 一方で都内の私立校関係者は「うちはさすがに自粛中です。このご時世、選手が野球バッグを持って電車に乗っていたらどんなトラブルに巻き込まれるか……」と話しつつ、「困ったのは地方から来ている寮生の対応。学校も練習も休みなら普段は帰省させるんですが、今はそれもどうなのか。うちは全国から選手が来ていますし、帰省休みともなれば選手は喜んで出歩くでしょう。寮生活は不要不急の外出とは無縁だし、一番安全だとは思うんですが、心配した親御さんから『一度家に帰してほしい』と言われればダメというわけにもいかない」と複雑な思いも口にする。

 さらに、終わりの見えない状況には選手のメンタルを心配する声も。「このまま夏の大会まで中止となってしまったら、ある意味、不祥事で出場停止になる以上の理不尽。3年間必死でやってきた子たちになんて言葉をかければいいのか。私にはわかりません」とは関西のある監督の弁だ。

 対応は地域や環境によって様々だが、高校野球の現場でも広がり続けるコロナ禍の動揺。一刻も早い事態の終息を願うばかりだ。

(Full-Count編集部)

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