いよいよ佳境のペナントレース。結局、今季はどの球団が最高の補強をした!?

投打の軸となるためには性格の見極めも重要

 自分がミスをして、ベンチで暴れたりすれば、ムードは悪くなる。そのために「しょうがない」はある。外国人選手がベンチでそう呟いたらどうなるだろう。気持ちの切り替えがうまい外国人だな、チームの調和もとることも大切に考えているんだな、とナインは思うはず。「しょうがない」は不思議な力を持つ言葉なのだ。

 かつて所属したチームにおいて、ラミレスは自分よりも後から加入した選手に対してリーダーとして惜しみない助言を送り、自分自身も日本を愛し、勉強してきた。来日当初はそこまで愛着はなく、適度に稼いで母国のベネズエラに帰る予定だったが、いつしか日本でプロ野球の監督をやりたいという大きな夢も持つほど、日本をリスペクトするようにもなった。

 同じようにロペスもマギーも、メジャーで実績があるにも関わらず、日本の野球に対して真摯に向き合った。日本に来た大リーガーの誰もが躓く配球を勉強し、投手のパターンも研究した。失敗する選手は、自分に自信があり、目の前に来たボールを打つことだけに特化する。

 それでは打てないのだが、プライドが学ぼうとする姿勢を妨げてしまうのだ。そうして結果が出ずに母国へ帰ってしまう選手は後を絶たない。新人選手も同様で、壁に当たる選手が多い中、菅野や則本は自分自身と相手選手を冷静に分析できる目を持っていた。だからこそ、1年目から活躍することができたのである。

 このように投打の軸にまで育つ可能性がある選手を獲得するには、これまでの実績だけでなく、性格まで見極めることが重要なポイントとなる。その意味では、そこまで見抜いて選手を獲得した巨人と楽天のスカウトの勝利とも言えるだろう。今季最も効果的な補強をしたこの2チームの日本シリーズの戦い、それぞれの選手の対決が楽しみだ。

【了】

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