中日・落合博満GMと小笠原道大の出会いから17年 再びその運命は交わるか

日本ハムで重なった2人の経歴

 巨人の小笠原道大内野手(40)が10日にFA宣言をした。日本プロ野球のFAは獲得する意思のある球団がなければ、行使に踏み切るのは難しいもの。近年、成績不振に陥っている小笠原に関してはまだ具体的な話は表面化していないが、手を挙げる球団があるとすれば、それは中日である可能性が高い。

 一部で報じられているように、中日の落合博満GM(59)が小笠原の獲得の判断をするのではないかと見られている。それだけ、両者の結びつきは強いのだ。

 話は1997年にまで遡る。落合氏が巨人から日本ハムへ移籍した当時、偶然にもドラフト3位でNTT関東から入団したのが小笠原だった。2人の運命は、ここでクロスした。

 その1年目のキャンプでルーキーの小笠原は落合氏からキャッチボール相手に指名もされている。初日にたまたま近くに居合わせた新人は、緊張しながら1球1球、丁寧に投げ込んでいた。当時の日本ハム関係者によると、試合での味方の攻撃時に、ベンチに置いてある落合氏のファーストミットにイニング間の練習用のボールを入れておくのも、小笠原の役目だった。

 その小笠原はプロ17年目を迎えても、人には真似できないようなトレーニングを陰で続けている。周囲もその姿に「努力、継続できる才能がある」と脱帽するほど。球場入りはチームで1、2を争うほど早く、入念な準備と体のケアを怠らない。それは、以前、小笠原自身がグラウンドの外から眺めていた落合氏の姿と重なる部分でもある。

 2006年に小笠原が日本ハムからFA宣言したときも、当時中日を率いていた落合氏は獲得に動いている。今後、中日が小笠原を獲りにいき、加入することになれば、現役時代の落合氏がそうだったように、将来チームを背負って立つ若い選手たちの手本にもなるだろう。大ベテランとルーキーの邂逅から17年。その運命は再び交わることになるのだろうか。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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