スタジアムから見るマー君のオススメ球団は?
打者優位のヤンキースタジアム
楽天・田中将大投手(25)のメジャー挑戦は、絶望的というわけではなさそうだ。米国内では、新たなポスティング・システム(入札制度)の締結に楽観的な見方も出てきており、米ケーブル局ESPN電子版は年内に大リーグ機構(MLB)と日本野球機構(NPB)が合意に達するとの見解を示した。現在、暗礁に乗り上げていることは間違いないが、少しずつ前に進む可能性が出てきている。
この厳しい状況を乗り越えて海を渡れるとなれば、再び過熱してきそうなのが争奪戦だ。資金力のあり、獲得に情熱を注いでいるヤンキースやドジャースが有利との報道があるが、ここでは違う観点から田中の行き先を占いたい。それは球場だ。環境や気候を含め、有力候補に挙がっている7チームの本拠地を分析し、活躍するためにオススメの球場がどこかを分析してみたい。
【ヤンキースタジアム(ヤンキース)】
左打者有利の構造で「ヒッターズパーク」として知られる。ただ、ここで他の候補と比べたいのは気候だ。東海岸らしく、冬は寒く、夏は暑い。開幕直後(4月初め)のナイター時の気温は1ケタとなることも珍しくない。気候については、仙台よりも厳しいと言えるだろう。雨も多く、中止でスライドとなったり、開始が遅れて数時間待たされることもしばしば。黒田博樹は「ドジャースの時は雨で遅れることもなかったですし、中止になってスライドしたり、日にちがずれたり変わったりというのはあまりなかった。東と西でのピッチャーのコンディションの作り方は、こっちの方が難しい部分はあると思います。特にここは屋根がないので」と話している。
【ドジャースタジアム(ドジャース)】
ニューヨークと違い、1年中温暖で安定したロサンゼルスの気候は、間違いなくプラス材料だ。黒田が話すように雨も少なく、中止となって登板に影響が出ることはない。また、メジャーでは珍しく左右対称に作られており、田中も違和感なく投げられるのではないだろうか。以前は広かったファウルグラウンドに客席は作られたものの、いまだに投手有利の球場とされている。ロスには日本人も多く住んでいるため、私生活で困ることも少ない。ドジャース関係者は「田中が活躍するなら絶対に西海岸がいい」と話している。
【リグレー・フィールド(カブス)】
基本的には打者有利の球場とされている。ファウルグラウンドが狭く、風が強いからだ。ただ、この風は日や時間帯によって方向を変えるため、投手有利に働くことも多い。開幕直後はニューヨークよりも寒く、気温が0度付近になることも。オーナーの「野球は太陽の下でやるものだ」という方針で、デーゲームが極端に多いのも特徴だ。これが田中にどう働くかは微妙なところと言える。