中田賢一の獲得でヤクルトのローテーションはどうなる?

館山、由規の復帰が見込める来季

 今年のヤクルトは惨敗だった。怪我人によって不調に陥り、さらに怪我人が出た。開幕直後にエース・館山昌平がトミージョン手術(右肘の腱移植手術)で戦線を離脱。若き右腕の由規も右肩の手術で今季の登板はなし。力のある投手が戦力にならず、16勝した新人の小川泰弘の奮闘だけが目立った。

 館山は来年の開幕こそ微妙だが、シーズン中に復帰できる見込み。由規もすでにキャッチボールを始めている。キャンプ、オープン戦でアピールできれば、来年の開幕には間に合うだろう。

 今年のヤクルトの先発投手事情は、以下の通り。

小川泰弘・・・16勝4敗
石川雅規・・・6勝9敗
村中恭平・・・5勝9敗
八木亮祐・・・5勝13敗

 小川に次ぐ勝利数が石川の6勝と寂しい結果となった。13敗した八木が小川に次ぐチーム2位の152イニングを投げているのを見ると、先発投手の駒不足で、苦しい台所事情であったことが浮き彫りになってくる。

 ここに中日からFAとなった中田賢一が加えることができれば、小川に続く、勝利が計算できる投手がローテに入ることになる。石川も経験豊富であることから、しっかりと開幕まで仕上げてくるだろう。スカウト陣に定評のある新外国人投手や新人で即戦力の杉浦稔大(国学院大)が計算できれば、小川、中田、石川、外国人、杉浦、そして村中か八木のどちらかの左腕の6人でローテーションを回せることになり、いいスタートを切ることができるに違いない。

 そこに、リハビリを終えた由規、館山が加われば、厚みは増し、競争も激化する。ヤクルト投手陣の再建はこの2選手にかかっている。上記の6~7人に加え、2人が復帰となれば、セ・リーグでトップクラスのローテーションが整うだろう。

 FA宣言した投手を取るのは、ヤクルトは初めてのこと。今年は他のFA選手に興味を示していない。それだけ、ヤクルトの中田獲りは本気だ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY