加藤豪将はジーターの後継者? 今季の起用法から見えてくる有望株の未来図

首脳陣はショートの練習を積ませている

「(最初は)出塁率が高い選手でいきたかった。でも、1、2番を打っていたら出塁率が高い方がいいんですけど、今は3番を打っている。だから、1球目にファストボール(速球)が来てストライクだったら、次はカーブ、チェンジが来るので、できるだけ1球目から打っていく。3番をやったことがなかったので、知らなくて時間がかかったんですけど、1球目から打って、四球をあまり気にしないようにしています」

 常にランキング上位の数字をたたき出していた出塁率を残せる選手であることは、前半戦ではっきりした。では、パワーは本物なのか。勝負強さはどうなのか。チームは、その部分を見ていたようだ。

 さらに、ルーキーリーグでは主にセカンドを任され、打力だけでなく守備力も高く評価されてきた。ドラフト指名を受けた当初、地元メディアで紹介された「猫のようなグラブさばきで、守備範囲も広い」というスカウトの評価が間違いでないことを証明した。ただ、実は首脳陣の思惑は、試合以外の部分に見えていた。加藤本人はシーズン中に「練習ではショートをやっています」と明かし、次(上)のリーグでの起用法を聞かれると「ショートを練習しているので、行くかもしれないですね」と話している。来季は、ジーターの後継者としての道を本格的に歩み始めるかもしれない。

 もちろん、育成方針はヤンキースのチーム事情によっても変わってくる。現在、FAとなったロビンソン・カノとの残留交渉がこじれている。もし移籍となれば後を継ぐ選手の育成は急務で、加藤に対する期待も一気に高まる。ただ、残留となれば最低でも契約年数は7年に届く見込みで、セカンドのポジションはしばらく空かない。

 一方、ジーターは早々に現役続行が決まったものの、契約は来季のみの単年だ。こちらは、すでに後継者の育成が差し迫った課題で、その候補の1人に加藤も入っている。厳しい競争は待っているが、カノの去就によって加藤に求められる守備力、打撃の質などが変わってくる可能性があるのだ。現時点ではジーターの後釜を狙う方が現実的で、首脳陣もショートの練習を積ませていたようだ。

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