加藤豪将はジーターの後継者? 今季の起用法から見えてくる有望株の未来図

アクシデントも大きな問題にはならない

 アクシデントも大きな問題にはならないだろう。ルーキーリーグ終了後の9月下旬には有望な若手選手がそろう教育リーグに参加した加藤だが、その練習初日に左手中指の靱帯を断裂。強行出場を続けたものの、思うような結果を残せなかった。さらに、ケガの状態が良くなかったために、10月に予定されていたドミニカ共和国でのウィンターリーグ参加も取りやめた。もっとも、球団から両リーグへの参加を求められるのは期待されている証で、「エリートコース」に乗っていることは確か。現在、必要なのは、ケガを治して万全の状態で来春のキャンプに参加することだ。

 来季以降について、本人は「自分では言えないです。次に行きたいです、とは(笑)。なので、上にいる方が見て『上がってくれ』と言われたら『もちろん、行きます』と答えます」と謙虚に話す。それでも、1Aスタテンアイランドへの昇格は間違いないだろう。

 米国では有望株の育成にじっくりと時間をかけるため、高校からドラフト1巡目で入団したジーターですら、メジャー定着は5年目だった。ただ、近年は状況が変わってきた。元々、スーパースター候補だったとはいえ、ブライス・ハーパー(ナショナルズ)が2年目、マイク・トラウト(エンゼルス)が3年目で昇格し、チームの中核として活躍するなど、早期デビューも夢ではなくなってきている。

 そう遠くない将来に、加藤がヤンキースタジアムのショートを守る日が来るかもしれない。現実はそう甘くないと言う人もいるだろう。ただ、才能あふれる若武者のプレーを見ていると、夢を見る価値は十分にあると思えてくる。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY