新ポスティング制度導入でヤンキースの田中獲りがピンチに!?

新ポスティング制度で田中の年俸が跳ね上がる?

 MLB側と日本プロ野球機構が折衝に折衝を重ねて浮上してきた新ポスティングシステムの導入により、楽天の田中将大投手獲得の本命とされてきたヤンキースの野望に黄色信号が点滅してきているという。4日付ニューヨーク・ポスト紙が報じている。

 同紙によると、従来のポスティング制度と明確な違いを持つ新制度がヤンキースの補強戦略に打撃を与える可能性があるという。従来の制度ではポスティングの対象選手に対し、獲得の意思を持つメジャー球団が自由に入札し、この価格が一番高い球団が交渉権を持つという規定だった。

 MLBでは選手の総年俸が1億8900万ドル(約189億円)を超えた場合に“贅沢税”が発生するが、入札額がその限度額にカウントされないため、高額年俸を抱えるヤンキースにとっては渡りに船だった。“贅沢税”の存在によって際限なく年俸を引き上げるわけにはいかないが、入札額を釣り上げることはできるからだ。潤沢な資金力を持つオーナーのハル・スタインブレーナー氏なら、他のクラブが届かないようなポスティング費用を捻出することにも何の問題もなかった。

 しかし、ポスティング費用が2000万ドル(20億円)に制限される新制度が導入されれば、資金力に乏しい球団にとっても獲得の可能性が広がることになる。同紙はポスティング費用の制限により、田中の年俸が6年総額1億ドル(100億円)規模に跳ね上がる可能性も指摘。ひとたび年俸が跳ね上がってしまえば、ヤンキースは“贅沢税”という泣き所を突かれることを意味する。

 今季プレーオフ進出を逃した名門は同じ過ちを繰り返さないためにも大型補強を続けているが、田中獲得については暗雲が立ち込めてきた。米国のフリーエージェント(FA)システムと共通点の多いという新制度の余波は、田中の新天地選びにも大きな影響を与えそうだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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