マー君に1億ドルは危険な賭け? メジャーGMが警鐘

長期契約は常にリスクが伴う

 新ポスティング制度での入札がスタートした楽天の田中将大投手に対する総額1億ドル(約104億円)とも予想される巨額契約金について、ブルワーズのダグ・メルビンGMが巨大なリスクと発言し、話題になっている。

「選手に対する長期契約は常にリスクが伴うもの。特に競争力の高いメジャーのレベルで投げたことがない選手に関しては特にそうだ。松坂(大輔)の契約はいい例だ。確かにレッドソックスにとっては1年間、最高の活躍があったが、彼の獲得は(ポスティングと年俸総額の)1億ドルに値しただろうか」

 ニューヨークデイリーニュースの取材に、メルビンGMはこう語った。

 レッドソックスは2007年に年俸とポスティング額の総額1億700万ドルを費やし、松坂を獲得した。松坂は同年15勝12敗と奮闘し、ワールドシリーズ制覇に貢献。08年には18勝3敗と圧倒的な数字を残したが、その後は故障に苦しめられている。

 更に、同GMは「田中は間違いなくスタジアムへの集客数を高めるだとう。どんなリーグであろうと、24勝0敗の男には絶大な魅力がある。パブリシティ的にも大きな効果があるだろうし、ファンも大喜びするだろう。それにしても、田中獲得は依然として巨大なリスクだ」と語った。

 単独交渉権を手にするために入札額を競った従来制度と異なり、新ポスティング制度では最高2000万ドルの入札金を提示すればどのクラブでも参戦できるようになった。同制度は、小都市ミルウォーキーを本拠地とするブルワーズのような市場や収入の比較的少ない球団にもメリットがあると言われている。

 その一方で、ポスティングの対象となった選手は年俸などの条件面が自由競争となったために、年俸高騰などの恩恵を受けることが可能となった。ブルワーズに田中争奪戦を制することができるほどの資金力があるのかといえば、疑問だ。鋭い分析か、あるいは、ライバルチームへの牽制に過ぎないのか。いずれにせよ、その価値を田中はマウンド上で証明するしかない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY