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「マシンガン打線の生みの親」の最大の悔い 横浜DeNAの筒香嘉智は球史に名を刻む打者になれるか

「コーチは感覚まで作ることはできない」

 昨シーズン途中、ある新聞記事に、ブランコとバレンティンのポイントの差が掲載されたことがあった。それを読むと、昨季60本塁打を放ち、日本プロ野球記録を塗り替えたバレンティンはブランコよりも30センチも前でボールを打っていた。髙木はその事実を筒香に伝え、意識の変化をうながそうとした。

 こんなこともあった。昨秋、利府球場で行われた楽天との2軍戦でのこと。髙木氏は、筒香にポイントの重要性を再認識させるために、練習中、相手チームに「ホームラン競争を取り入れましょう」と提案した。

 両チーム2人ずつ出てきて行われた競争で、筒香は髙木の求めているバッティングフォームを実践した。ボールを飛ばすために高く足を上げ、ポイントを前にしてバットを振った。結果、7スイング中、5本の本塁打を記録。スタンドの観客もどよめいたほど、筒香の才能は突き抜けていた。

 しかし、その理想的なスイングも、その後、筒香の中で定着することはなかった。

「コーチは、形はいくらでも作れるんですよ。でも感覚まで作ることはできない。たとえば、タイミングであり、打つポイントは感覚の部分だし、自分でつかんでいくしかない。本来なら、次のシーズンはいけるぞ、という感覚を本人が分からなきゃいけない。でも、分からせてあげられなかったという部分では私にも責任があるんじゃないかと、いつも葛藤しているんですよ。何とか分からせてあげたかったな、俺の力不足だったな、と。選手の気持ちとコーチの気持ちが一つにならないと、いい作品というのはできないなっていう反省が今でもありますよね」

 髙木氏はため息交じりでそう言葉を絞り出した。

 その才能を買われ、活躍が期待される若者は早くも4年目のシーズンを終えた。今年は大卒ルーキーと同じ23歳のシーズンを迎えることになる。プロ選手の寿命は長いようで短い。球史に名を刻める可能性を秘める筒香嘉智。その才能の開花を、多くの人が待ち望んでいる。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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