マー君の最初の“敵”は? メジャーにおけるキャンプから開幕までの流れとは
すでに戦いは始まっている
もっとも、キャンプが始まってしまえば、待ったなしでタイムテーブルが設定されている。松坂、ダルビッシュは、ともにキャンプイン初日にブルペンに入り、アピールを開始している。ダルビッシュはその日のうちに初のフリー打撃にも登板。松坂はキャンプ7日目に初めてフリー打撃に臨んだ。
そして、オープン戦初登板は、松坂がキャンプインから約2週間後の3月2日。相手は大学生だった。ダルビッシュも約2週間後の3月7日に初めてパドレス相手にオープン戦で投げており、日本のキャンプと比べると、2週間程度タイトなスケジュールだと言える。つまり、キャンプに入るまでに万全の状態を作りあげる必要があるのだ。このことを考えても、渡米が遅れている田中は準備期間が制限されるだけに、不安が残る。
その後、メジャーではシーズンを想定した先発ローテーションを組み、中4、5日のペースで登板を重ねながら、徐々にイニング数を伸ばして開幕に備えていく。松坂は7試合、ダルビッシュは紅白戦を含めて6試合に投げた。
今年のヤンキースのオープン戦日程を見てみると、初戦は25日。CC・サバシア、黒田博樹に続く先発ローテーション3番手が有力と見られている田中の“デビュー戦”は、27日のパイレーツ戦が有力か。その後、中4、5日ペースで7試合の登板が可能だ。この間にメジャーの登板間隔、調整法、マウンド、ボールなどに慣れなくてはならない。そして、メジャー初登板が有力視される開幕3戦目のアストロズ戦(ヒューストン、ミニッツ・メイド・パーク)に照準を合わせていくことになる。
キャンプで躓けば、シーズンに大きな影響が出ることは言うまでもない。そうならないためにも、まずは田中も出来るだけ早く日本を発ちたいはずだ。体調を万全にすれば、野球だけに集中することが出来る。いいスタートを切るため、そしてファンの期待に応えるために、すでに戦いは始まっている。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count