補強資金をつぎ込んでも高まらない“新生ヤンキース”の評価。田中将大に掛かる大きな期待

マッキャンの補強で厚みを増した外野手の陣容

 一方で、攻撃は昨年よりも良くなるだろう。米メディアの報道を見ていると、以下のような形がベストメンバーになると予想できる。

【1】ジャコビー・エルズベリー 中堅
【2】デレク・ジーター 遊撃
【3】カルロス・ベルトラン 右翼
【4】マーク・テシェーラ 一塁
【5】ブライアン・マッキャン 捕手
【6】アルフォンソ・ソリアーノ DH
【7】ブライアン・ロバーツ 二塁
【8】ケリー・ジョンソン 三塁
【9】ブレット・ガードナー 左翼

 最大の補強はやはりマッキャンだろう。ラッセル・マーティンを放出したヤンキースは昨季、捕手で最も苦しんだ。レギュラー候補だったフランシスコ・セルベリは開幕早々に負傷し、その後は薬物違反で出場停止に。打率が2割そこそこのクリス・スチュアート、オースティン・ロマインでは完全に実力不足だった。

 そもそも、セルベリが万全でも1年を通して役割を果たせたか分からない。6年連続20本塁打以上のマッキャンは、左打者有利のヤンキースタジアムではさらなる上積みが期待できる。熱いハートの持ち主で、リーダーシップも発揮するだけに、田中にとっては心強いパートナーとなるだろう。

 エルズベリー、ベルトランの補強も間違いなくプラスに作用する。俊足巧打の前者は典型的なリードオフマンで、勝負強い後者は理想的な3番打者だ。外野は、1番打者だったガードナーが9番に回り、イチローが控えに回る充実ぶり。イチローはDHのソリアーノが定期的に守備に就くことも考えれば、実質で5番手の扱いとなる。昨季、夏にヤンキース復帰を果たしてから主に4番打者として大車輪の活躍を見せたソリアーノが6番に座る打線は、厚みを増した。

 日本のファンから見れば複雑だが、イチローほどの選手が常にベンチに控えるという状態は、他チームから見たら脅威。試合終盤の守備固め、代走、代打を任せる選手として、これほど心強い存在はないからだ。特にエルズベリー、ベルトランは負傷がちなため、外野ならどこでも守れるイチローがいることは大きい。トレードの噂も絶えないが、純粋に戦力として考えれば、指揮官としては手元に置いておきたいのではないか。ただ、イチローという偉大な実績を残してきた選手の起用法として適切であるか、疑問が残るが……。

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