カブス社長が田中将大の契約金の高騰を分析
「巨額の投資に見合うような確実な選手は少ない」
カブスのテオ・エプスタイン球団社長がラジオ局「WEEI」のインタビューに応じ、ヤンキースとの壮絶な争奪戦の末に獲得を逃した田中将大投手の年俸総額がメジャー史上5位の7年1億5500万ドルにまで急騰した理由を解析した。
「ヤンキースは(田中獲得により)今後、贅沢税を支払い続けるというインパクトを考慮すれば、実際の田中の契約金よりも巨額と言わざるを得ないだろう。だが、田中はそこまでして獲得しなければいけない選手だったから、ヤンキースも今後、数年間に渡り高額の税金を支払うことになったのだろう。私は驚いてはいない。なぜなら、巨額の資金を持つ球団は多いが、その資金を投資する先が少なくなっている現状を、如実に表しているからだ。
巨額の投資に見合うような確実な選手は少ない。キャリアのピークにいる選手、ピーク手前の選手が故障などの問題を抱えずに、実力が認知され、すでに確かな実績が存在するなら、その実績がメジャーリーグで残したものでなくても、現在の移籍市場では大きな興味の対象となる。想定外なほど大きな興味となるが、それはタレントの需要と供給のバランスがそうした状況を生んでいる」
エプスタイン氏は鋭い分析を見せた。ローテーションの柱として田中獲得に本気度を見せていたカブスは田中サイドと直接交渉を持ち、総額1億ドルという大型条件を提示したという。ドジャースなどと最終局面まで争奪戦を繰り広げたが、最後は圧倒的な条件を提示したヤンキースに屈することとなった。