野球のグローバル化はサッカーに迫れるか? メジャーリーガーの出身地が偏る現状とMLBの取り組み
野茂が切り開き、日本人もメジャーでおなじみの存在になった
日本、韓国、台湾、オーストラリアのアジア・オセアニア諸国とカナダを地図に並べてみると、やはり野球が盛んにプレーされている場所は、地球の半分、環太平洋エリアに限られてしまうようだ。
だが、こういう見方もできるだろう。今シーズンの日本人メジャーリーガーの数は9人。昨季は11人、2012年が13人、2011年が10人、2010年が14人、2009年が13人と、過去5年と比べると人数は減っているものの、近年では平均10人の日本人選手がメジャーリーグでプレーしていることになる。
イチローであり、ダルビッシュ有であり、田中将大であり、彼らが海を渡ってメジャーでプレーできる土壌を作った人物とも言われる野茂英雄が、1995年にドジャースと契約してから19年。今、ようやく日本選手はメジャーでおなじみの存在となった。
となれば、今シーズンは1人だけしか登録されていないオランダ領アルバ(ザンダー・ボガーツ:レッドソックス)やブラジル(ヤン・ゴメス:インディアンス)も、20年後には10人を超える選手を輩出するようになる可能性もある。
そんな可能性を求めて、MLBはオフシーズンになると野球新興国に選手を派遣し、普及活動に力を入れている。中国(江蘇省無錫)、ドイツ(レーゲンスブルク)、南アフリカ(ケープタウン)にはMLB主催のアカデミーを設立し、野球を文化として広めるための草の根運動から、才能溢れる選手を英才教育するトレーニングキャンプ開催まで、さまざまな努力を積んでいる。