数値の発表は日本だけ? 「飛ぶボール」問題の沈静化と、聞こえてくる同情の声
反発係数を更改しているのは日本だけ
アグリーメントにある反発係数の基準値の範囲は0・4034から0・4234。今回は6球場中5球場でそれを上回り、飛びやすくなっていたことが判明し、問題が表面化した。
統一球問題は昨今でも様々な問題点が指摘されているため、ミズノ社も品質管理は徹底して行っていた。しかし、それでも起こってしまった問題。管理体制がずさんだったわけではない。それだけ、規定内におさめるということが大変な作業だということなのかもしれない。業界内には「少し数値が厳しいのではないか」という声も聞こえてくる。
プロ野球が盛んな国は日本、韓国、台湾、そしてアメリカ。ボールの反発係数を測定している国はあっても、公開をしているのは実は日本だけである。他は非公開で、メジャーリーグでは球場によって反発係数の低いボールを意図的に使い、飛距離を抑えたりすることもある。
もちろん、規定が定められている以上は、その範囲内でおさめなくてはならない。それがプロの仕事であり、ルールだ。だが、来年以降は、再発防止を見据えて、制度の見直しも必要になってくるかもしれない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count