不調の黒田博樹に気になるデータが浮上 投球間隔の長さは改善できるか
今季の黒田は投球のリズムが極めて悪い
25日時点でエンゼルス戦の結果は反映されていていないが、データサイトのFANGRAPHSによると、4試合目までの黒田の投球間隔は平均25.8秒。これは、メジャー全体でもレイズのデビッド・プライスに次ぐ先発投手ワースト2番目の長さだ。つまり、投球のリズムが極めて悪いということになる。
ちなみに、今季メジャーで最も投球のリズムがいいのは、ブルージェイズのマーク・バーリー。実に15・8秒と驚異的なテンポの良さを誇っている。25日のレッドソックス戦こそ6回途中まで12安打7失点と打ち込まれた左腕だが、ここまで4勝1敗、防御率2・16と好調を維持している。
元々、黒田は少ない球数で長いイニングを投げられるピッチャーではあるが、リズムは決していいとは言えない。これは、ほかの日本人投手にも言えることで、投球間隔のランキングでは、松坂大輔、ダルビッシュ有、岩隈久志なども軒並み下位に名を連ねてきた。黒田や岩隈は駆け引きで打者を抑えていくタイプだけに、仕方がないことだとも言えるだろう。
だが、昨年までの黒田本人の数字と比べてみると、この投球間隔は気がかりだ。
2013年は24・5秒。これはメジャーで下から7番目の数字だった。ただ、6連敗でシーズンを終えるなど、絶不調だった8月中旬以降で跳ね上がってしまった可能性も考えられる。さらに前まで振り返ると、ヤンキース1年目の2012年は23・1秒、ドジャース最終年の2011年は23・5秒という数字が出てくる。この時期と比べると、今年は2秒半も長いことになる。
原因は何なのか。
本人は変化球の状態が上がらないことを気にかけており、「そこが今、1番苦しんでいるところだと思います」と明かす。このことで慎重になっていることは確かだろう。特に、決め球の選択には悩んでいる様子が見えてくる。2ストライクまで追い込んでから何を投げるのか。これは今季の登板の最も大きな課題と言えるかもしれない。