敵将も「別格な存在」と脱帽 敵軍が語るダルビッシュの好投の理由
ピアジンスキー「彼があんなに速球を投げたことはない」
ダルビッシュは、9回2アウトまで完全ペースだった昨年4月2日のアストロズ戦で速球を24球投げたという。ほぼ1年前に14三振を奪ったレッドソックス戦では30球だった。この2試合では速球よりもカットボールとスライダーを多く投げていたという。そして、昨年のダルビッシュの投げた球種の内訳はスライダーが30・3%。速球が39・4%だったというが、この日は速球が77球、スライダーが35球と割合は大幅に変化している。また、速球のストライク率は62%だったという。
「あんなに彼が速球を投げたことはないと思う。特にストライクをコンスタントに奪っていた」とピアジンスキーはこの日のダルビッシュの投球を分析している。
9回2アウトでダルビッシュの金字塔をギリギリで阻止した「ビッグ・パピ」こと、主砲デビッド・オルティズも「前回の対戦時よりも彼は速球でストライクを奪ってきた。前回はワンバウンドすることが多かったし、速球の制球に苦しんでいた。でも、今回は違った」とダルビッシュの速球の制球力の向上に脱帽していたという。
0-8の完敗を喫したレッドソックスのジョン・ファレル監督は「彼にはストライクゾーンで勝負できるボールが4つあった。それがうちの打者のバランスを崩した。しかも、あのスライダーが彼を別格な存在にしているんだ」と指摘している。
ワールドシリーズ王者の結論は明確だ。速球の制球が定まったダルビッシュは打てない。日本人右腕がこのまま調子を維持すれば、昨年惜しくも2位になったサイ・ヤング賞の獲得も一層現実味を帯びてくることだろう。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count