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なぜメジャーでトミー・ジョン手術が頻出するのか アメリカスポーツ医学研究所が調査結果を発表

若年時の投球過多や過労も危険因子に

 この調査では、肘に負担のかかるカーブの多投と、肘部分の負傷との強い関連性は認められなかったというが、ASMIの創立者であるジェームス・アンドリュー医師は「これらの研究は理想的な投球フォームを定めるために、生体力学の研究所での投球結果に基づいている。子供の多くは正しくカーブをコントロールするために必要な神経筋が発達していない。

 ここに疲労が加わると、投球フォームの乱れと、最終的には故障に行き着くことになる」と説明。カーブの練習に関しては、「子供がひげを剃るようになる」程度に身体が成長するまで遅らせるように提言している。

 調査ではマウンドの高さを低くしたこと、米国とラテンアメリカ諸国など投手の出身国の違いも、肘関節の内側側副靭帯損傷の発生率に関連性が見られなかったという。

 ASMIは球団や監督、コーチに対して、「投球フォームを身体の各部分を連動させ、全身の力を使って投げるようなフォームにするように投手に働きかける」、「マウンド上での疲労の兆候に注意する」、「ピッチャーとコーチ陣とメディカルスタッフの間の風通しのいいコミュニケーションを大事にする」ことなども提言している。

 個性的なピッチングフォームの投手が多いメジャーの中で、ヤンキースの田中将大投手やレンジャーズのダルビッシュ有投手ら日本人投手はピッチングのみならず、身体全体の筋肉を連動させた美しい投球フォームで、地元ファンを魅了している。だが、今回の報告書によると、若年時からの投球過多や過労なども肘靭帯損傷に陥る危険因子として挙げられている。今回の報告書の発表を契機に、今後の故障者が減少することを願うばかりだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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