“最長ブランク”東海大四の不思議な巡り合わせ 福岡の強豪相手に21年前の再現なるか
OBの葛西紀明が今冬に日本中を熱狂させるなど追い風要素も
では21年ぶりに甲子園出場を引き寄せることができたのはなぜか。それは絶対的エース・西嶋亮太(3年)の存在に尽きる。
1年夏から経験を重ね、マウンド上で強烈に自己主張をする。下級生の頃は好不調の波の大きさが課題とされたが最上級生になると課題の克服よりも、不調時でも抑え、勝てる投球を目指してチームをけん引。目立たないが西嶋に引っ張られるように控えの山口聖人、大澤志意也(2年)の成長もあった。
この夏の甲子園には不思議な巡り合わせも感じる。当時のチームにも安井謙一(東海大からNTT北海道)という絶対的エースがいて、甲子園は雨天コールド、ノーゲーム、開始時刻変更など雨に翻弄された大会だった。今年は東海大系列校が過去最多の4校も出場。2月のソチ五輪ではOBでスキージャンプの葛西紀明選手が日本中を熱狂させるなど追い風要素もある。
14日の初戦の相手はドラフト候補を擁する九州国際大付(福岡)。21年前も前田浩継(のちオリックス)を擁した東福岡と対戦し4対3で競り勝ち、勝利の輪の中心に大脇監督がいた。その再現を、と密かに闘志を燃やしているはずだ。
(原稿提供:Baseball Nine)
長壁明●文 text by Akira Osakabe