1か月以上勝ち星から遠ざかる「投手・大谷翔平」 不振の理由はどこにあるのか

「突出した才能であることに疑いの余地はない」

「ただそれでも、西武戦では8つの四球を出すなど苦しんでいましたが、悪いながらに試合を作って7回3失点でまとめたのは、本当に凄いことだと思います。高卒2年目の投手としては、既に突出した才能であることに疑いの余地はありません。この試合でも球数が多く、結局149球を投げました。ここまで投げることに関して議論の余地はありますが、球数が多くなっても7回を投げきるスタミナがある。ここも、高く評価できる部分です。

 日本ハムは負傷者がだいぶ戻ってきているので、大谷が無理にDHなどで出場する必要性は下がってきました。戦力が整ってきているので、大谷は残りのシーズン、ある程度投手に専念してもいいのかなと思います。

 ただ、これは個人的な意見ですが、大谷には今の形、二刀流を継続していって欲しいなと考えています。プロ野球の歴史の中で、誰もやらなかったことをやっている訳で、これだけ特徴的な選手はいません。もちろん本人の意志が一番重要ですが、疲労が溜まったらベンチが上手く休ませながら、続けていって欲しいですね」

 投手・野手の二刀流選手として、常に話題を振りまいてきた大谷。ただ、今季は投手としてチームの勝ち頭であり、既にエースと言っても過言ではない投球を続けている。飯田氏は、投手・大谷について、次のように希望を話した。

「大谷のストレートはスピードがありますが、多彩な変化球も持っています。ちょっと、変化球が多いかなという印象はありますね。配球についてはキャッチャーとの兼ね合いもあるので、一概には言えませんが。ただ、大谷は155キロ以上が常時出るんですから、そう簡単には打たれませんし、もう少しストレートで押していくような、ピッチングスタイルを構築して欲しいと感じています」

【了】

飯田哲也プロフィール

スポーツコメンテーター。1968年東京都出身。1987年に捕手としてヤクルトスワローズに入団、主に外野手としてヤクルトの1番バッターを長く務めた。2005年からは2年間楽天イーグルスに在籍。2006年に現役を引退すると、古巣ヤクルトで2013年まで守備・走塁コーチを務めた。
飯田哲也オフィシャルブログ

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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