驚きの守備隊形がメジャーで出現 極端なシフトは野球の本質を変えてしまうのか
極端な守備シフトには選手から「あまり好きではない」との声も
地元メディアの報道によれば、今回の珍しいシフトを発案したのは、ベンチコーチを務めるティム・ウォーラック氏。スミスの直前に打席に立ったエイブラハム・アルモンテの場面で二、三塁に走者を背負っていたため、中堅を守っていたイーシアを一塁手の位置に守らせて、内野手を5人とするバックホーム態勢を敷いた。
アルモンテが四球で出塁して満塁となったため、“秘策”がお目見えすることになったのだが、「スミスが打ったゴロ系の打球は、必ずといっていいほど右方向だ。この策はハマると思った」と自信は揺るがなかった。
最近は、守備隊形のシフトを敷く球団が年々増えている。より細かなデータ分析が行われるようになり、各打者の打球方向の傾向が顕著になったことで、これまでは打球を引っ張るパワー系打者にのみ適用されていたシフトが、どんな打者にでも適用されつつある。
もちろん、これには賛否両論があり、結果を見ても、シフトにより助けられた試合もあれば、シフトが原因で負けた試合もある。実際に戦っている選手たちの声を聞いてみると「あまり好きではない」という声が多いようだ。それというのも、野球の本質が変わってしまう気がする、という理由からだ。
確かに、シフトによって打球を阻まれてしまうのであれば、そうならないような打球を打つ工夫をしなければならないだろうし、セフティバントでシフトの逆を突く内野安打を重ねる選手が増えたら、多少なりとも野球の性質は変わることになるだろう。