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大谷の二刀流を成功に導いた、日本ハムの絶妙な“投打配分”

日本ハムが挑む極めて高度な選手管理、「155回1/3」「234打席」の配分は大成功

 実際には、大谷は21回2/3を差し出して234打席を得ている。Runs Created(RC)という指標を用いて大谷の働きを得点換算すると、1打席当たり約0.04点リーグの平均的な打者より得点を生み出し、234打席だと約9.2点を生み出したと推定できる。これは図表中の右のグラフの、青い線で記した部分だ。

 2.4点分の機会を捨てて、9.2点を得たことになり、大谷を打席に立たせたことは成功だったと言える。

 同じ計算で155回1/3は17.6点分、386打席は15.2点分と推定できる。こちらも実際に大谷が登板した155回1/3のほうが価値は大きいと見なせるため、これも成功ということになる。

 その結果、大谷が投手、打者として記録した貢献を足した26.8点(17.6+9.2)という数字は、投手のみに専念したときの20.0点(2.4+17.6)、打者のみに専念したときの24.4点(9.2+15.2)よりも大きく、二刀流の効果がはっきり表れている。

 今後、大谷が成長していく過程で、発揮する能力が投球と打撃のどちらかに偏る可能性は十分ある。

 例えば投手としての能力が今年より低く出て、打撃が現在のレベルを保った場合。そのときは400近い打席を捨てて登板機会に回すことがチームにとっては損失になることもあり得る。

 逆に打撃が不振に陥った場合は、今年確保した234打席を捨てて、登板機会を増やしたほうが損失は小さいというようなケースも予想される。

 こうした選手起用にあたって参考になる明確な事例はアメリカにもない。日本ハムは誰もやったことのない、極めて高度な選手管理に挑んでいることになる。

【了】

DELTA・道作・秋山健一郎●文  text by DELTA DOUSAKU. AKIYAMA,K.

DELTA プロフィール

DELTA  http://www.deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える セイバーメトリクス・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『Delta’s Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。最新刊『セイバーメトリクス・リポート3』が4月5日に発売。

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