【パ×Full-Count】球界活性化へ パ・リーグが手掛ける海外戦略とは
中米諸国と放映権販売交渉、ドミニカ・ベネズエラへはニュース映像の提供を計画
2つ目のセグメントは中米諸国です。
パ・リーグには、ドミニカ・ベネズエラ・メキシコ・キューバ出身の外国人選手が複数活躍しています。その中でも経済的に発達しているメキシコには実際にニーズが存在しており、現在、現地テレビ局と放映権販売の交渉を進めています。メンドーサ選手(北海道日本ハム)とクルーズ選手(千葉ロッテ)が所属しており、サッカーやMLB人気には及ばないものの、自国選手の活躍ぶりを視聴したいニーズが顕在化していることは現地へ訪問して分かりました。
その他のドミニカ・ベネズエラへはニュース映像の提供を計画していますが、実際に中米諸国でパ・リーグ試合映像を視聴できるようになれば、日本のプロ野球のレベルや球場の賑わいに気づいてもらうことができ、中長期的には母国で自分が活躍する映像が流れるということで選手が獲得しやすくなるかもしれません。そのような狙いを持ってこのセグメントに取り組んでいます。
最後3つ目のセグメントはASEAN諸国。その中でも訪日観光ニーズが高いタイや経済発展が目覚ましいインドネシア、マレーシアをターゲットとして考えています。ただし、これらの国においては野球自体の認知度が極めて低く、まず「野球とは何か?」から入る必要があります。そのため、プロ野球として訴求するのではなく、日本で最も人気があるスポーツコンテンツ(=プロ野球)として、観光+αの延長線上で訴求することを想定しています。成果が出るまでのハードルは高いと思いますが、新しいファンを増やしていくミッションには整合している話なので、中長期的な視野で取り組んでいきたいと考えています。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count