【パ×Full-Count】本当の“地域密着”とは? 北海道と共に戦うファイターズの成功を支えるもの

「ユニフォームの胸にどうしても『HOKKAIDO』の文字を入れたい」

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胸に「HOKKAIDO」の文字が入った限定ユニフォーム【画像提供:日本ハムファイターズ】

 それでは、「WE LOVE HOKKAIDO」は具体的にどんな方向性でイベントが形作られていったのか。佐藤氏は続ける。

「当初は、イベントをやりたいということよりも、胸に“北海道”の文字が入ったユニフォームを作りたいという想いがありました。球団が北海道に誕生して、我々は北海道のチームだとしっかりお伝えしたい、そういう気持ちが発端になっています。

 最近ではレギュラーユニフォーム以外のものを着用して試合に臨むことも増えてきていますが、ファイターズが北海道に誕生したころは、セ・パ交流戦のときだけ普段と異なるユニフォームで戦うことくらいしかその機会はありませんでした。

 ホームユニフォームの胸には『Fighters』、ビジターには『NIPPON-HAM』と入っていましたが、やはり地域に根ざす、地域密着をより強く打ち出すため、胸にどうしても『HOKKAIDO』の文字を入れたい。そうしたきっかけでユニフォームを作り、そしてそれを着用する機会を作るためにイベントを立ち上げることになりました」

 過去にも、ユニフォームの胸の部分に地域名を入れていた球団はある。広島は今でもビジターユニフォームにHIROSHIMAの文字があるし、巨人は2002年までビジターユニフォームに「TOKYO」の文字があった。横浜大洋ホエールズも同様のデザインを行っていたことがある。(※巨人は今季からビジターユニフォームにTOKYOの文字が復活、DeNAベイスターズも一昨年から限定的にYOKOHAMAの文字を入れたユニフォームを使用している)

 佐藤氏は「ファイターズが地域名をユニフォームに入れることに関して、相当なインパクトがあるだろうと予想していました。結果的に、地元のファンの方々にも受け入れていただくことができて、ファイターズがより“自分たちのチーム”と思っていただける、1つのきっかけになったと思います」と続けた。

 現在、「WE LOVE HOKKAIDO」のイベント展開はスタジアムだけにとどまらない。空港やコンビニ、ドラッグストアや郵便局、銀行、市役所などのスタッフが揃ってユニフォームを身に纏い、通常の業務を行う。また、期間中は街中にものぼりをいくつも立てて、まさに北海道全体でファイターズを応援する環境が形作られていると言えるだろう。

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