日本人投手に受難の時代到来も? MLBでストライクゾーン改正の動き
低めへの制球力が評価される日本人投手には厳しい状況になる可能性も?
これによりピッチャーは低目のコースで勝負することが可能となり、打者が空振りする確率は高まっていたという。現在のメジャーはピッチャー優位で、専門家は得点不足の理由の2割から4割がストライクゾーンに起因するという分析をしている。
派手な打撃戦が増えれば、野球人気を押し上げる可能性もある。ただ、特集では「ストライクゾーン改正により攻撃が間違いなくスパークすると誰もが認めている。だが、攻撃力が高まれば、それは試合時間が長くなることと同義だ。新コミッショナー、ロブ・マンフレッドの最優先事項の1つに試合時間短縮がある。この2つのバランスは非常に難しい」と締めくくっている。
これまでストライクだった低めへの投球がボールになれば、日本人投手の投球に厳しい状況が増えることも考えられる。日本人投手は、全体の傾向として直球だけでなく、変化球を低めに制球できることが強みで、メジャーでもこの点が高く評価されている。昨年、青木宣親外野手とロイヤルズで同僚だったメジャー通算83勝のジェレミー・ガスリー投手も「日本人投手は本当にレベルが高い。特に、低めへの変化球のコントロールが素晴らしい。実はとても難しいことだが、どの投手も簡単にやってしまう」と認めていた。
低めに落ちる「スプリット」を決め球とする田中将大投手(ヤンキース)、岩隈久志投手(マリナーズ)、上原浩治投手、田澤純一投手(いずれもレッドソックス)のピッチングに影響を与える可能性も出てくる。ピッチャー優位から一転、受難の時代がやってくるかもしれない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count