【パ×Full-Count】「ファンのために」ソフトバンクがリードし続ける「IT」と野球の融合
キャンプアプリの目玉、お目当ての選手がどこにいるかを把握できる「タカノメ」
あるいは、(ソフトバンクグループ創業者の)孫(正義代表取締役社長)が好きな『日本で初めて』『世界で初めて』ということをどう実現していくのかが大きいですね。『日本初』、『世界初』がグループのカルチャーとしてもあるので、そういうことを実現していくということもあります」
もちろん収益は重要な要素だ。ただ、大野部長が話すように、本当に大事にしているのは顧客満足度。いかにファンに喜んでもらえるか、満足してもらえるかということを最優先に、アプリなどの開発に力を注いでいる。
「ファンのために」。これが全ての根底にある。
現在のキャンプアプリには、画期的な機能が搭載されている。それが「タカノメ」だ。ホークスのキャンプは1、2軍ともに宮崎市の生目の杜運動公園で行われており、広大な施設にはキャンプ通算で30万人程度が訪れるが、ファンが最も知りたい情報は「お目当ての選手がどこにいるか」。それを解決するシステムとなっている。
大野部長は「去年まではそれを大きいモニターに映し出していたんですけど、今回はアプリ上で出しています」と説明する。携帯を見て、どの選手がどこにいるかを把握できる。まさにファンの目線に立って考えられた機能と言える。
もっとも、この画期的なシステムの仕組みは、実はスタッフの「人力」で成り立っている。「やろうと思えばITだけでできるんです。選手に(機器を)持たせて、センサーを付けたり。でも、そうすると費用面とか、選手に負担をかけるとか、障害が出てきます。だったら人でやればいいじゃない、と。(システム作りに)時間をかけて(結果的に)できないとなるのであれば、他の方法を使って実現させたい」。大野部長の言葉からは、いかにファンを大切にしているか、そしてIT戦略部としてファンのために努力を重ねているかが伝わってくる。