松坂大輔が振り返るオープン戦初登板、浮かび上がった不安と希望
毎年最初の実戦マウンドは「フワフワ」、「1、2回はまったく参考にならない」
「1、2回は自分でどう力が入っているか、分からないくらいだった。最初の試合はそういう感じ。そういう感覚になるのは予想通り。1、2回は自分の中ではまったく参考にならない」
最初の2イニングに関して、松坂自身はこう説明した。日米通算164勝の実績を誇る経験豊富な右腕だが、この「フワフワする」感覚は毎年、その年の最初の実戦マウンドで味わうものなのだという。
「フワフワしたのがなくなって、ようやく落ち着けたんじゃないでしょうか。3イニング目にようやく形が出始めた。少し力のあるボールが行きだした」
“今の松坂大輔”というところを評価するならば、その対象は3回の投球だけになるだろう。1死から鳥谷に中前安打。ヒットエンドランで右前に運ばれた上本に盗塁も決められ、2死二、三塁のピンチを招いた。ここで、ギアが上がった。
「簡単には打たれたくないですし、走者が出てから、抑えることを意識した」
2ボールから投じたゴメスへの3球目は145キロをマーク。四球にはなったが、6球目はこの日最速の146キロを計時した。マートンにも145キロの真っすぐが2球あった。
「重心が高くなっていたのが、3回になって下に下りてきた。力が入るというか、強く腕を振ることが出来たのが、3回だった」