【小島啓民の目】阪神・藤浪、巨人・杉内に見る投手の球速向上のポイントとは
技術習得に必要とされる最低限の体力がある
ジュニア期の選手においても、体力は必要となってきます。
速い球を投げる、コントロールを良くするなどの技術習得をする上で反復練習が必要とされます。その繰り返しの練習を行える体力が必要となります。正しくボールを投げるためのフォームを習得するにも、まずは体力が必要となってきます。
上手くボールを投げられない選手がいた場合に、フォームが悪いからといって、指導者が理想のフォームをすぐに教えてしまう傾向があります。ですが、そもそも片足でバランスよく立てないなど体力的に不十分な選手に理想のフォームが身につくわけがありません。技術習得に必要とされる最低限の体力があるということを忘れてはいけません。
具体的な例を挙げると、ジュニア期の選手がボールを投げる場合によくインステップをする傾向にあります。インステップとは、ステップする足が投球ラインの内側に着地することです。右投手の場合だと踏み出す足が3塁側に着地することを指します。
以前ほどインステップになっていませんが、藤浪投手はそのような投球フォームでした。インステップすると、より体幹の捻りを利用して投げられるため、パワーを生み出すことができる。さらに、ボールの角度が生まれるという利点があります。ただ、インステップを行うと、右投げの場合は投球が右方向になりがちで(左投げの場合は左方向)、ボールの回転もシュート回転する傾向になると一般的に考えられています。ひどくインステップする選手は、この傾向が顕著にでます。