見えてきた工藤流 ソフトバンク新指揮官が思い描く野球とは
工藤采配ではバントが減る?
作戦面でも工藤色は出てきそうだ。昨季、秋山監督は2番に置いた今宮を中心に走者が出れば、バントを多用した。だが、それも変わる。
現役時代に「調子が良くないとき、立ち上がりに相手がバントをしてくれると落ち着けた」という指揮官。相手投手の立ち上がりが不安定と見れば、バントでみすみす1アウトを与えるのではなく、強攻策で一気にたたみかける考えを持っている。下位打線にも勝負強い松田、長谷川という好打者が控えており、策がハマれば、初回から大量点を奪うシーンも増えてきそうだ。
工藤監督は、1、2、9番の並びはシーズン中も変更していくとも話している。ただ、その並びの根底には「どれが相手の投手にとってイヤか」という狙いがある。作戦に関しても、相手投手の調子、特徴で、臨機応変に選択していくことになる。
リスクヘッジも1つの特徴だ。負傷離脱に細心の注意を払いつつ、有事に備え、多くの野手に複数ポジションをこなせることを求めている。オープン戦では内川を一塁で、本多を遊撃で起用。若手にも様々な位置で練習をさせた。これは負傷や不振で主力が抜けた際の戦力低下を防ぐのが主の狙いだが、それだけでなく、若手の出場機会を増やすチャンスにもつながっていく。
「(15日までは)長谷川が1番。そこからはベストと思うオーダーを組んでいく」
17日のロッテ戦(ヤフオクD)からは開幕を見据えたフルメンバーで戦うことを示唆している工藤監督。徐々に見えてきた「15年型ホークス」。強力打線は「投手の嫌がる野球」を掲げる工藤流の下、更に破壊力が増すのだろうか。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count