イチロー、初のWS出場なるか マーリンズが躍進する5つの理由とは
100敗を喫したチームが2年後にプレーオフに進出した例は過去に4度
ジェニングスGMも「我々は紙の上で試合をするわけではない。泥の中でプレーをするが、この選手は偶然集まったわけではない。ある目的のもとにここにいるんだ」とチームのグレードアップに満足しているという。
4番目は「秘密兵器」だ。若きエース、ホセ・フェルナンデス投手が右肘靭帯損傷によりトミー・ジョン手術を受けてから10か月が経過。6~7月にはマウンドに戻ってくる予定となっている。
キューバから亡命した22歳のフェルナンデスは、2011年にドラフト1巡目(全体14位)でマーリンズに指名された。2013年にメジャーデビューし、150キロ台後半の速球と急激に落ちるカーブを武器に12勝6敗、防御率2.19、187奪三振と大活躍。いきなりオールスターに選出され、ナ・リーグ新人王に輝くと、サイ・ヤング賞投票でも3位に入った。昨年も故障前の4月にナ・リーグ月間MVPに選ばれている。
フェルナンデスの復帰は、2014年にWSを制覇したジャイアンツの鉄腕マディソン・バムガーナーのような存在となると記事では指摘。特に、一発勝負のワイルドカードゲームを戦うことになったら、絶対的なエースの存在は大きな違いを生み出す可能性が高いとしている。レドモンド監督も「いつ戻れるか、見てみよう。でも、その時がきたらワクワクするだろう。それは間違いない」と語っているという。
最後の理由は2年前の「100敗」という経験だという。2年前の低迷期からレドモンド監督は「あの時も、今でも話しているが、あの時を経験したことが後々、多くのいいことを生み出すだろう、と。今、多くのいいことが存在している」と語る。
負け続ける日々の中、指揮官は若手や新戦力を育てることができた。オズナ、イェリッチ、遊撃手のアダイニー・エチャバリア、先発の柱に成長したヘンダーソン・アルバレス、クローザーのスティーブ・シシェックが台頭し、昨年の15勝の上積みに成功したという。
メジャーにディビジョン制度が導入されてから、100敗を喫したチームが2年後にプレーオフに進出した例は、過去に4度あるというデータも特集では紹介している。最近の例では2008年のレイズだという。
2003年以来のプレーオフ出場、そして、WS制覇に逆襲の態勢を整えているマーリンズ。スプリングキャンプで存在感を放っているイチローも今年、悲願の頂点にたどり着くことができるかもしれない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count