OP戦は参考にならない? シーズンの行方が見えてくるのは「35試合終了時点」
相関関係が低いオープン戦の勝率とシーズンの勝率
シーズン開幕直後の戦いを推測する時、オープン戦の結果が参考にされる機会は多い。しかしオープン戦はレギュラー選手の調整、新戦力のテスト、レギュラー候補同士の比較検討など様々な目的の下で戦われる。勝利が最優先される試合ではないため、その結果にはチームの実力が反映されにくい。
NPB12球団の2000年から2014年までの15シーズンについて、オープン戦の勝率と、同じシーズンの終了時点の勝率がどれくらいリンクしているか=相関関係があるかを調べてみた。
この散布図を見ると、オープン戦の勝率とシーズンの勝率には強い相関関係がないのがわかる。相関係数は0.24と低く、オープン戦の勝率がシーズンの勝率を言いあてている程度は全体の約6%とかなり低い。テストで使われる選手が多く、また15試合前後と試合数の少ないオープン戦の勝率には、やはりチームの実力がほぼ反映されていない。
試合数の限られたオープン戦と比べ、チームがシーズンで残すと思われる勝率を知るヒントとなってくれそうなのは、前年の勝率のようだ。前年の勝率とシーズンの勝率の間の相関関係を調べると相関係数は0.51となり、オープン戦とシーズン勝率の間の数字を上回る。オフにはチームに何かしらの変化が生じるものだが、チームの成績を大きく動かすような主力選手の移籍などは限定的で、前年の力が翌年も引き継がれるケースがそれなりに発生していることを示している。
とはいえ、オープン戦に比べれば推測に適した情報であるものの、十分なものとは言いにくい。前年勝率が当年勝率を言いあてている程度は全体の約26%と高いものではない。