圧倒的な打力でDH起用が続く19歳 西武は「捕手・森」をどう育てるべき?
2人の本塁打王の後ろを任される19歳捕手、DH起用は是か非か
高卒2年目の森友哉捕手が、西武で欠かせない選手となっている。昨季、本塁打王に輝いた4番・中村剛也、5番・エルネスト・メヒアの後の6番を任され、ここまで打率2割9分3厘、3本塁打、11打点。打点はリーグ5位タイ、本塁打は3位タイと、その実力は数字にハッキリと表れている。
ただ、議論の的となっているのは森のDH起用だ。将来の正捕手としても成長が必要な19歳を守備に就かせず、起用し続けることにデメリットが多いとの見方は少なからずある。一方で、西武には守備面で球界屈指の実力を誇る炭谷銀仁朗という捕手がいる。捕手としての力では、森はまだまだ炭谷に遠く及ばないというのが現状だ。
森のDH起用は是か非か。ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜と4球団で捕手として活躍してきた野球解説者の野口寿浩氏は、西武首脳陣の苦渋の決断であることを認めつつ、この現状にこそ森の限りない可能性、そして魅力が見えてくると説明する。
「それだけ彼のバッティングが素晴らしいということです。まだ高卒2年目で、20歳になるかならないかという選手ですから。それが、メヒアの後という大事な打順を任されてるわけです。森君が打つことによって、メヒアが勝負してもらえる。そうすると、メヒアが打ち始めて、中村君と勝負してくれる。どんどんいい循環になります」
2人の本塁打王の後ろを任される存在。森の出来が、今季の西武打線の出来を左右すると言っても過言ではない。
「去年のホームラン王2人がいて、その後に森君が来てるんです。誰かワンクッション入って森君というわけではなく、すぐに6番に来ている。16日の楽天戦では、メヒアが敬遠で歩かされた後に勝ち越し3ランを打った。まさに田辺監督の狙い通りです。それに応えてるんですから」
野口氏はこのように力説する。好調の1番・秋山、実力者の2番・栗山のあとに、一発のある3番・浅村、そして中村、メヒア、森とならぶ打線は脅威だ。「浅村君も含めて、(3~6番の)4人で何本のホームランを打つんだというところですからね。4人で90本打ってもおかしくない。ヘタしたら100本ですよ」。高卒2年目の選手が入ることで、これだけ打線の迫力が増すのだから、打者としての可能性はやはり計り知れない。