黒田、6回3失点の熱投で怒りの3勝目 藤浪の内角球にキレた

藤浪の内角球に激怒の黒田は5試合連続QS、打線も12安打11点の爆発

 広島の黒田博樹投手が25日、本拠地での阪神戦で今季5度目の先発マウンドに上がり、6回9安打3失点で3勝目(1敗)を挙げた。2回に打席で相手先発・藤浪から厳しい内角球を続けられて激怒。6回に伊藤隼に2ランを浴びる場面もあったが、開幕から5試合連続のクオリティースタート(QS、6回以上を自責3以内)を達成した。広島は11-3で快勝。味方打線の大量援護もあり、黒田が白星を掴んだ。

 初回、黒田は先頭の上本に7球粘られて四球を与えると、西岡のニゴロの間に二塁への進塁を許す。鳥谷は遊ゴロに打ち取ったが、ゴメスには9球粘られて再び四球。しかし、福留をセカンドゴロに打ち取った。

 無失点で切り抜けたが、5人の打者のうち4人がフルカウントに。珍しく球数を要し、初回だけで32球を投げた。

 その裏、広島は丸のタイムリーで1点を先制した。

 黒田は2回もピリッとしない。1死から伊藤隼には左中間へのツーベースを浴びる。ピッチャーの藤浪にもレフトへのヒットを許して2死一、三塁。ここで上本にセンター前に運ばれ、同点とされた。続く西岡はサードゴロに打ち取り、最小失点で切り抜けた。

 その裏、思わぬ“事件”が起こる。1死一塁で黒田が打席に。バントの構えを見せたが、藤浪の初球は内角へのボール。続く2球目は内角に抜ける厳しいボールとなり、よけた黒田は思わず尻もちをついた。さらに、3球目も抜け球で内角をえぐるボール。再び尻もちをついた黒田がキレた。

 起き上がると、怒りの表情でマウンドへ向かう。藤浪は帽子をとって謝罪したが、40歳の怒りは収まらない。さらに詰め寄ろうとすると、両軍ベンチから首脳陣や選手が飛び出し、あわや乱闘という一触即発の状況になった。

 阪神首脳陣からもなだめられた黒田は、フルカウントから一ゴロ。捕逸で二塁に進んでいたランナーを三塁に進めた。続く田中は一ゴロも、ゴメスのエラーを誘い、広島が1点を勝ち越した。

 この騒動が闘志に火をつけたのか、黒田は3回に立ち直る。鳥谷をピッチャーゴロ、ゴメスをサードライナー、福留を空振り三振で三者凡退に打ちとった。

 すると、広島打線はその裏、無死満塁から野間がファーストゴロ。三塁走者は本塁でアウトとなったが、捕手・梅野の一塁への送球をゴメスが取れず、二者が生還した。

 4回、黒田は1死から伊東隼にファーストゴロを許すも、梅野、藤浪を打ち取り無失点。5回は2死から鳥谷、ゴメスに連続ヒットを浴びたが、福留をファーストゴロに仕留めた。

 広島打線は5回に野間の犠飛、會澤のタイムリーで2点を追加。しかし、黒田は6回、先頭のマートンにライトへの二塁打を浴びると、伊藤隼にライトへの2ランを被弾。3点差とされた。1死から代打・新井にレフトにツーベースを浴びるも、上本はセーフティー気味の投犠打、西岡は一ゴロに打ちとった。

 広島は7回に5点を追加。100球を投げた黒田は6回で降板となった。

 広島は12安打11点と打線が爆発して快勝。黒田は6回9安打3失点の熱投で防御率2.73となった。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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