堂上、巨人初スタメンで“恩返し打” 「感謝の気持ちでいっぱい」

先輩・井端も「何とかしてくれると思っていた」

 巨人で1軍登録即初スタメンとなった堂上剛裕外野手がいきなり結果を出した。12日の広島戦(東京ドーム)。この日いきなり「6番・レフト」でスタメンに抜擢されると、2安打1打点1得点と活躍。7回にはそれまで無失点ピッチングを続けていた相手エース前田健から貴重な同点打を放ち、2-1の勝利につなげた。

 試合後のヒーローインタビュー。エース対決を制して4勝目を挙げた菅野、40歳の誕生日で2安打を放った井端とともにお立ち台に立った堂上は「感謝の気持ちでいっぱいです」と第一声を発した。

 昨季限りで中日を戦力外となり、巨人と育成選手契約。入団後は持ち前のバッティングでアピールし、2月23日に育成から支配下登録を勝ち取った。その後、右手親指を骨折するアクシデントに見舞われたが、4月下旬の2軍戦でいきなりホームランを放つなどし、1軍へ昇格。ようやく巡ってきたチャンスでは、何とか勝利に貢献しようという思いしかなかったという。

「こうして獲っていただいたので絶対に恩を返す気持ちでやりました」

 2回の第1打席ではいきなりセンターへ初ヒット。そして1点を追う7回。中日時代からの先輩、井端が直前の打席で、1死からレフト前にヒットを放った。ここで堂上は前田健が投じた6球目を左中間へはじき返した。これがタイムリー二塁打となり、井端の代走に送られていた片岡が同点のホームを踏んだ。

 その後、前田健のワイルドピッチで逆転のホームを踏んだ堂上は「僕の前で井端さんがいいバッティングするんでいいイメージで立てました」と先輩に感謝。井端も「非常にがんばってもらいたいなと個人的にも思っていた。すぐスタメンということで、何とか堂上の前に塁に出れば、何とかしてくれると思っていたので良かったです」とその活躍を称えた。

 初スタメンで勝利に貢献した堂上は「こうしてここに立てて少し恩返しができたので、ここからもっとがんばっていきたいと思います」と話し、インタビューの最後を「フルスイングします」と締めた。29歳の恩返しはまだ始まったばかりだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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