球界は捕手不足に? 古田、城島らに続く“名捕手”はなぜ現れないのか
各球団で絶対的なレギュラー捕手はごくわずか
ここ数年、球界を牽引する捕手の台頭が待望されている。各球団の捕手事情を見ても、絶対的なレギュラーと呼ばれる選手は、楽天の嶋基宏ら僅か。古田敦也、矢野燿大、谷繁元信、城島健司、阿部慎之助といったリード・守備力に加え、個性や打力を兼ね備えた各球団の「顔」とも言える強力な捕手が次々と現れた一時代前に比べると、やや寂しい状況となっている。
なぜ、“名捕手”は生まれてこなくなったのか。ただの時代の波なのか。それとも、何か理由があるのか。
ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜と4球団で捕手として活躍した野口寿浩氏は現在、野球解説者を務めながら、「OAKS BASEBALL CLUB」で少年への指導を行っているが、「こうやって子どもたちを教えていて思うのは、キャッチャーをやりたい子がいないということですね」と話す。
「今年でスクールをやり始めて5年目になりますが、キャッチャーをやりたいから教えてくれと言ってきたのは2人ですから。例えば、内野手、ショートなどが目立つ。ダルビッシュ君(レンジャーズ)とか田中君(ヤンキース)が出てきて、ピッチャーも目立つ。子どもたちはその辺をやりたがります。キャッチャーまで回ってこないですね」
今の子供たちにとっては、一時代前の“キャッチャー黄金期”も馴染みがない。古田、城島らのプレーを見たことがない世代へと移行してきたのだ。キャッチャーに憧れを持つという状況になりにくいのか。