ホークスに死角なし!? 交流戦で見せた強さは今後も続くのか

主軸と脇役の歯車が噛み合ったホークスに死角らしい死角は見当たらない

 走者を塁に置けば、つなぐ、返す。走者がいなければ、自らが出塁し、交流戦トップの5盗塁をマークした足でかき回す。5月28日の中日戦(ナゴヤD)での天井直撃弾や、6月3日のDeNA戦(横浜)のバックスクリーン直撃の150メートル弾のような特大の1発もある。セの投手たちが、攻めあぐねている印象が強かった。

 柳田以外にも、5番・李大浩が打率.369、5本塁打11打点をマーク。6番松田宣浩は打率.309ながら、チームトップの6本塁打13打点、11日の阪神戦(ヤフオクD)でサヨナラ2ランを放つ勝負強さを見せた。

 4番の内川聖一も打率.333で10打点。主に1番に座った中村晃は打率.319、出塁率.412を記録。とにかく、主軸が満遍なく打った。

 そして、主軸が奮わない日には、脇役が勝負を決めた。その象徴が、3タテした6月5日からの巨人3連戦。初戦は今季初スタメンだった細山田武史が決勝の2点適時二塁打、第2戦は川島慶三、高谷裕亮の7、8番が同点打、勝ち越し打を放った。3戦目は今季頭角を現している高田知季。2軍戦でも本塁打の無かった男が放ったプロ入り初本塁打が決勝弾になった。

 穴がない。それがソフトバンクの交流戦だった。とにかく選手層の厚さを感じさせた。そして、主軸と脇役の歯車がいい具合に噛み合った。チーム状態が良いときほど、こういうことが起こるものだ。

 投手陣も12球団で3位の防御率2・91と、決して悪い数字ではない。この強力打線をもってすれば、1試合3失点前後であれば、はね返せる可能性は高い。投手陣に多少の心の余裕を与える効果もあっただろう。

「レギュラーシーズン再開後も、この勢いをそのままに、リーグ優勝まで戦いつづけたい」と工藤監督はコメントを締めくくっている。ソフトバンクは19日からのペナント再開を、日本ハムとの首位攻防3連戦で迎える。まずは首位奪還。連覇へ突き進む工藤ホークスには、死角らしい死角が見当たらない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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