【小島啓民の目】大学ジャパン7連続K 創価大・田中正義に見る「真っ向勝負」の大切さ

創価大で投手を育てる元五輪代表選手、その指導方針とは

 あとは安定した投球をどこまで続けることができるのか、というところがドラフト会議までの注目点になっていくでしょう。

 実際に昨年の松山で行なわれた大学の強化合宿に出向いた際に、近くで本人が投げている姿を見ました。体格に恵まれていることと強気が出ている面構えがとても印象的でした。今回の試合においても、荒削りのところはうかがえましたが、投げるたびによくなっている印象を受け、将来性を感じさせます。争奪戦になることは必至ですね。

 しかし、創価大学は、最近、本格派の良い選手を輩出します。ヤクルトのライアンこと小川投手もそうでした。創価大学で投手を育てている佐藤康弘さんは、元プリンスホテルの選手で、私もメンバーの一員だったバルセロナオリンピックに貴重なサブマリン投手として出場した選手でした。

 下から浮き上がってくる球で海外の打者を翻弄している姿は、背中越しに見ていて頼もしく、「同じチームで良かったな」と思わせるほどでした。ご本人は、アンダーハンド投手だったのですが、育ててくる投手は真っ向勝負の上手投げの投手が多いです。

 その佐藤コーチと久しぶりにお会いした時に「細かい技術よりも、打者に向かっていく姿勢と強いボールを投げること、それから体力の強化を中心に指導をしています」と話しされてたことを思い出しました。クレーバーな投球をする投手が増える中、豪快な投球をする創価大学の投手は、見ていて将来性を感じますね。「打たれても、これでもか」と向かっていく姿勢は、若い投手には一番に持って欲しいところです。

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