移籍直後の輝きとその後の転落 復活期す広島・一岡が内に秘める思い

期待集める24歳、広島のブルペンを背負って立つ存在になれるか

 復活へのきっかけとなる試合かもしれない。7日の巨人戦で、広島の一岡が今季初セーブを記録した。0対0の均衡が破れた延長12回、抑えの中崎が危険球退場となり、「準備はしていなかった」という緊急登板で、坂本、高橋由など、強力打線の主軸を抑えた。

 昨季、広島から巨人にFA移籍した大竹の補償選手として移籍した一岡は、開幕から一軍入りを果たし、リリーフとして5月末まで防御率0.00という快投を見せた。巨人では2年間でわずか13試合の登板しかなかった右腕が、新天地でプロ初勝利、初セーブを記録し、オールスター出場も決めるなど、一躍ブレイクした。

 移籍1年目からセットアッパーの大役も任された一岡だが、慣れない一軍でのフル回転がたたり、右肩の違和感で2度の離脱を余儀なくされた。8月に2度目の離脱の後は、レギュラーシーズン終了まで一軍登板がなく、復帰したクライマックスシリーズで1イニングを投げたのみに終わった。

 開幕からセットアッパーとして期待された今季は、初登板でホールドを記録するも、1失点と内容的には今ひとつだった。その後も3連敗するなど、不安定な投球が続き、5月20日の中日戦では移籍後ワーストとなる1イニング4失点を記録し、一軍登録を抹消された。一岡の不振が象徴するように、リリーフ陣が崩壊状態となったチームは、優勝候補の前評判とは裏腹に、下位低迷が続いた。

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