【高校野球】9年ぶりの悲願へ 早実・和泉監督に相次ぐ“因縁対決”
1年生起用の難しさと和泉監督の手腕
――早実は今年、清宮選手ら1年生らを思い切って起用していますね
「実力があっても、1年生の起用には勇気がいると思います。新チームを結成した昨年の秋にレギュラーだった選手が、4月に入学してきた1年生に抜かれるというのは、チーム内の不協和音になりかねません。上級生からしてみれば、面白くないと思うのが通常です。
私も実は、昭和54年の大会に1年生から3塁手として甲子園に出場しました。清宮くんとは格が違いますが、当時としては、レギュラーとして1年生が試合に出ることは今よりも珍しく、当時の甲子園でも2人だけだった記憶しています。私が起用されるようになって、チーム内に激しい競争が芽生えたと当時の監督から卒業して聞かされました。
1年生を思い切って起用できたのは、控えに回った上級生がしっかりと清宮君のバックアップをできるという人間性を評価した部分と、監督自身が控えに回った経験があるからこそだと思います」
――敗れた九州国際大付属の楠城監督はどういう方ですか?
「楠城監督は、西武、楽天のスカウト部長まで務められ、プロ野球界を知り尽くした御仁です。ネット裏から全国のアマチュア野球を何年も見て来られた経験から高校野球の長所や短所も知り尽くしていると言っても言い過ぎではないでしょう。
おそらく斎藤佑樹投手をはじめとして、スカウトとして早実のグランドや関東近郊の試合には最近まで足を運んでいたと思います。私も楠城さんとは、スカウトとアマ監督という関係性でした。採用では、プロスカウトと社会人監督として、よく同じ選手で競合しました」