「日本球界で育った」元中日・チェン、渡米4年で見せる安定感の“秘訣”
投手コーチが明かすチェンの強み、「制球のよさは日本球界を経てきた投手が持つ特徴の1つ」
チェンの強みについて、デーブ・ウォーレス投手コーチは「ストライクが投げられること」と話す。
「彼は持ち球すべてでストライクを取ることができる。ストライクゾーンに投げるという基本はもちろんだが、変化球を内外角にしっかり制球してバットを振らせることもできる。制球のよさは日本球界を経てきた投手が持つ特徴の1つだね」
かつてドジャースでは野茂英雄、メッツでは吉井理人らを指導したベテラン投手コーチは、チェンの中にも「日本らしさ」を見出しているようだ。チェン自身も「日本球界で育った自分は日本人の部分もある」と話す。高校卒業後に母国の台湾を離れ、中日ドラゴンズ入りしたチェンの経歴は異色だ。幼少期の過ごし方こそ違えど、プロ入りしてからは日本人選手と同じ育成方法で育てられた。
「メジャーに来た頃は、やっぱり登板間のブルペンはたくさん投げた方がいいと思っていたし、配球にしても遊び球を使うことが多かったんです。でも、メジャーは中4日のローテーションで回るし、移動の距離が長くて体への負担が掛かる。だから、もっと体に疲れがたまりにくい方法を考えた方がいいってコーチにも言われました」
かつては、登板間のブルペンで当たり前のように50球は投げていたという。「30球に減らせば、20球分は肩の負担を抑えられる。これが1シーズン続けば、30試合に先発するとしても600球分はセーブできます」と、今では平均30球、少ない時は20球以内で済ませてしまうこともあるそうだ。
「メジャーに来てから肩やヒジの怪我がないのは、球数に注意してきたことも1つの理由じゃないかと思います」