青木宣親も今季復帰は困難に MLBでも頻出する脳震とうの怖さ

「終盤に来る疲れかなと思った」…青木を襲った脳震とうの症状とは

 ジャイアンツ青木宣親の今季復帰を危ぶませているのが、脳震とう並びにその後遺症だ。8月9日に敵地でのカブス戦で、先発アリエッタから内角カットボールを頭部にぶつけられた。それから2日間様子を見た後、12日に戦列復帰したが、途中で目眩を訴えて交代。13日から脳震とう用の7日間故障者リスト(DL)入りした。20日には再び戦列復帰を果たしたが、コロラド遠征中の9月5日に脳震とうの症状が再発したと自己申告。8日にペンシルバニア州ピッツバーグにいる脳震とうの専門家マイケル・コリンズ医師の診察を受け、現在は復帰に向けてのリハビリプログラムに取り組んでいる。

 脳震とうと言えば、アメリカンフットボールだったり、ラグビーだったり、体のコンタクトが多いスポーツで頻繁に見られるが、実は野球でもかなりの頻度で起きている。

 青木のように頭部に死球を受ける場合、外野手がフェンスに激突する場合、野手同士あるいは野手と走者が交錯する場合、捕手の場合は本塁での交錯プレー、ファウルチップによる打撲、バットによる打撲など、シチュエーションはさまざまだ。野球をプレーする上での安全面に配慮するようになったMLBは、2011年シーズンから脳震とう用の7日間DLを設置し、2013年シーズンからは本塁での不用意な交錯プレーを禁止するルールを制定している。

 脳震とうの怖さは、目に見える形で怪我や症状が現れないことだ。視覚だったり、平衡感覚だったり、空間感覚だったり、脳震とうを患った本人の自覚症状として現れるため、周囲の人々はもちろん本人でさえも、脳震とうであるか否かの判断がつきづらい。

 実際に、青木も7日間DLから明けた8月20日から数日後、体がだるく感じることもあったが「多分シーズン終盤に来る疲れかなと思った」という。だが、三振数が少ないことが取り柄の青木が、復帰した日から5試合連続で三振を記録したり、3割2厘あった打率が、わずか2週間ほどで2割8分7厘に下がったり。振り返ってみれば、ところどころで「青木らしくない」異変はあった。

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