ポスティングの概念を変える可能性も!? バーネットのMLB挑戦の裏側とは

恩義を示したバーネットにヤクルトも配慮

 バーネット自身も6年間過ごしたヤクルトに愛着があったことから、メジャーか、残留かの狭間で揺れていた。その中で導き出された答えが、ポスティングシステムだった。10月14日に代理人を通じて、制度の利用を申し入れた。

 バーネットの契約は今季で切れるが、11月30日まではヤクルトが保有権を所有するため、制度を利用することに問題はない。ただ、12月1日になれば、フリーエージェント(FA)となり、自由に交渉できるようになる。球団への譲渡金が発生するこの制度を利用することで、自身の年俸が目減りする可能性もある。バーネットにとっては不利でしかないが、それでもヤクルトへの恩義を譲渡金という形で残したかった。

「ポスティングを選んだのは、これまでヤクルトにお世話になった感謝の気持ちもあります。ただ単に『さようなら』はしたくなかった。FAになるよりは、ポスティングという形で自分の道を決めていきたいと思いました」

 この異例の申し出を球団も容認。上限2000万ドル(約24億円)まで設定できる譲渡金を50万ドル(約6000万円)に定めた。球団は5日にNPBに申請する予定で、翌6日から30日間、この額を支払う意志のある米球団は、バーネットと交渉が可能になる。球団関係者が「もう少し高い金額を設定してもオファーはあったと思うが、バーネットの選択肢を減らしたくなかった」と言うように、ヤクルト側も助っ人右腕に配慮した。

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY