番狂わせあり、大逆転あり、死闘あり―「名勝負」で振り返る2015年アマ球界

今年も繰り広げられた熱戦の数々、2015年の「名勝負」は

 高校、大学、社会人と今年も各カテゴリーで数多くの試合が行われたアマチュア球界。なかにはファンの記憶に刻み込まれた熱戦もあっただろう。

 選手、監督たちが残した「言葉」から振り返った前回に続き、今回は番狂わせあり、大逆転あり、死闘あり……アマチュア野球の醍醐味を感じさせる、さまざまな「名勝負」から2015年を振り返る。

○春の選抜準決勝・東海大四 3-1 浦和学院

 春の選抜で前評判を覆し、準優勝した北海道・東海大四。なかでも決勝進出をかけた浦和学院戦は最大の鬼門だった。昨秋の明治神宮大会で6回コールドと惨敗した相手。ここでも浦和学院の優位が予想され、快進撃もここまでとみられていたが、蓋を開けてみれば、相手の拙守につけ込んだ東海大四が勝利。浦和学院・森士監督は「我々のどこかに侮(あなど)りがあったのか」と悔やんだように、わずかな心の隙で勝敗が入れ替わる、高校野球の怖さを見せた試合だった。

○東京六大学春季リーグ戦・早大 4-0 慶大

 両校の優勝をかけた東京六大学の「華の早慶戦」は、チアリーダーや応援団同士などが互いに相手校を揶揄するポスターが話題となったことが拍車をかけ、例年以上の熱気を生んだ。その大舞台で、1回戦で勝てば優勝という条件だった早大がライバル・慶大を破って優勝を決めた。観衆はプロ顔負けの3万4000人が神宮に押しかけ、90周年を迎えた東京六大学の歴史と伝統を感じさせる一戦となった。

○夏の大阪大会2回戦・大阪桐蔭 5-1 履正社

 高校野球100年と銘打って熱戦が繰り広げられた夏の高校野球。地方大会で大きなサプライズとなったのは、大阪大会の2回戦で実現した大阪2強の激突だった。同大会はシード制を取らないために実現した、互いに初戦で行うのはもったいない好カード。舞台となった舞洲球場には2回戦では異例の1万3000人が殺到した。球場周辺が渋滞のため、選手が途中でバスから降りて徒歩で球場入りするフィーバーぶりの中で注目の一戦を制したのは、夏の甲子園連覇を狙う大阪桐蔭だった。

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