“復活“遂げたロッテ涌井は2016年も輝けるか 立ちはだかる課題とは
2016年の課題は?
ストレートと同じ腕の振りで、ゴロを打たせやすい球種として重宝されるカットボールだが、昨季の涌井に限ってはリスクを伴う球種となっていたようだ。しかし、「球種別コース比重ヒートマップ」を見ると、そんなカットボールを多投していたことが分かる。被打率1割5分2厘だったスライダーの248球を大幅に上回る361球も投じていた。
野口氏はその要因について以下のように分析する。
「もしかしたらスライダーの制球に自信がなかったのかもしれません。抜け球、引っ掛けてしまう球が多いなどの理由で、カットボールの方がまだコントロールがつくから、『じゃあ、カットにしようか』と選択したのかもしれない」
データ上ではスライダーの被打率が最も低かったが、全球種の中で最も少ない球数に留まっている。スライダーの質が向上すれば、より球数も投じることができ、カットボールに頼る場面も減るかもしれない。野口氏は「いい時のスライダーに、どれだけ引き上げられるかというところでしょう」と課題を挙げた。