ロッテドラ1平沢、成長の裏に「ロープ」あり 仙台育英に根付く名物トレ
「自分の体重は自分で支えよう」―仙台育英に根付く「冬場の名物」
「17年ほど前に学校のウエイトトレーニングの器具が撤去されたんです。さて、どうしよう? となった時、(トレーナーとの相談で)『自分の体重は自分で支えよう』というのが目標になった。
軽い人はそんなに力をつけなくてもいいのではないか。プクプクしている子は動きをよくするために力をつけなくてはいけないのではないか。というようなことから、自分の体重を支えるためのトレーニングはないかなということで、昔の花咲徳栄で行われていた『ピッチャーズトレー二ング』を仙台育英風にアレンジしたのが『Pトレ松葉』です。
できるもの、できないものを選定して今のスタイルになり、冬場の名物になりました。自分の体重を自分で支えるというのはよかったなと思います。ウエイトリフティング部じゃないので」
こうした考え方から元々、室内練習場に設置されていた綱を常時、登るようになったという。
また、佐々木監督は「今の子は“引っ張る力”が弱い」とも話す。ここで言う“引っ張る力”とは、遠くの物を自分の方に引き寄せる力。外から内に込める力のことである。綱の登り下りでは内側に込める力が大きくなる。
「(綱を)登る筋肉と下りる時に耐える筋肉は違います。ベンチプレスを上げるのと下ろすのと一緒。“引っ張る力”が弱いのでロープはとても良いと思います。握力が鍛えられるし、腹筋がなければできない。背中にも脇にもきますから、全身運動になります。下半身は組体操や屈伸など、自分の体重をコントロールできれば十分だと思います。ベンチプレスの代わりも腕立て伏せで十分だと思っています」