奪三振王、プレミア12で157キロも…楽天・則本の先発としての課題は?
奪三振王獲得の要因は? 被打率1割台を記録した2つの球種
一方で、奪三振ではシーズン終盤で日本ハム・大谷(196奪三振)を引き離し、最終的に215Kをマーク。2年連続奪三振王に輝いた要因について、野口氏は以下のように分析する。
「奪三振王を獲ることができたのはフォーク、チェンジアップが低めに集まってくれたからではないでしょうか。(特にフォークは)低めのボールゾーン3つの赤いところで、50%くらいを占めていますね」
全投球のヒートマップを見ると、チェンジアップ、フォークという落ちる球種に関しては、高確率でストライクゾーンからボールゾーンに落とす投球を見せており、被打率も1割台に収まっている。これには野口氏も「これくらいだとサインも出しやすくなりますね」と、捕手目線で高く評価した。
さらにアクセントとなる球種として「カーブは腕を振ってさえいれば、効果的だと思うんですよ」と指摘。力投型の右腕が持ち球とするのはスライダー(739球)、フォーク(490球)が主で、次いでチェンジアップ(305球)、カーブ(130球)というタイミングを外す球種が低割合で続く。カーブの被打率は.280だったが、投じた球数が少ないだけに、野口氏は「そこまで参考にする必要はないと思います」と分析。則本のイメージにはない球種だが、思い切って投じる数を増やすことで投球の幅が広がる可能性もありそうだ。
同氏は今回のデータを振り返り、「課題はまっすぐの制球力」と総括した。昨季、被打率.276だった同球種の精度が高まれば、さらなる成績アップが期待できるはずだ。
2013年には、ルーキーながらフル回転で球団初の日本一に大きく貢献した。新シーズン、今江(前ロッテ)や栗原(前広島)ら、積極的に補強を進めるチームにおいて、25歳の右腕が構想の中心にいることは間違いない。エースは東北の地に再び熱狂をもたらすことができるだろうか。持ち味の力強い投球に加え、制球面でのレベルアップにも期待したい。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count